1.「すべてを焼き尽くす!?赤の時代」  /1999年7月号掲載エッセイ


私の職業はカラーコーディネーターです。

というと、皆さん何をイメージしますか?

「ファッションの仕事でしょう?」とか、

「インテリアコーディネーターみたいな仕事?」と、

聞かれますが、一言で言うのがとても難しい職業です。

なぜなら、私達の身の回りには全て「色」があるから。

つまり「分野はこれです」と限定するのではなく、

色のある物は全てが対象なので「何でも屋」的なことろがあります。



ところで、「色」は目に見える物と普通は考えますが、

目に見えない色もあるのです。

不思議な感じがするでしょうが、

たとえば「バラ色の人生」とか「ブルーな気持ち」など、

色は私達の心模様をたとえるのに良く使われます。

それは一言では語れない複雑な人の心を色に例えることで、

一言で伝わる不思議な力があるからです。




では、「赤い気持ち」と言うと、皆さんはどんな状態をイメージしますか?




「情熱的」と答える人が多いと思いますが

赤は血圧を上昇させたり、脈拍数を上げたりする効果があり、興奮作用を高めます。

ですから、赤い気持ちとはかなり血の気の多い状態のことで、

やる気満々、行動的、積極的で情に厚く、

感情的になりやすい活発な状態です。

また、目標を達成する欲求がかなり大きく自己中心的で闘争的です。




かつて、私も赤の時代がありました。

学校を卒業し、ある企業でOLをしていた時のことです。

はじめは、仕事は生活のため!と、割り切って

それなりにこなしていました。

ところが、ある時、私が所属していたセクションのチーフが

結婚退職をすることになり、私がチーフを命じられたのです。

それまで、のんびり仕事をしていたのに、

半年後にチーフを務めなければならないなんて・・・



ところが、不思議にもプレッシャーより、入社以来はじめて

「チーフになる!」

と言う目標が生まれた私は、仕事って面白いものだ!

と、目覚めるのです。


それが、赤の時代です。

赤の時代は、まるで終わりの無いゴールを目指しているようなもので、

ゴールが見えてくると物足りなくなり、先へ先へとゴールを遠くに伸ばそうとします。



私は、チーフの仕事に慣れてくると、物足りなさを感じ、転職をしました。

次の仕事は、営業職です。


毎日が、刺激的で満足していました。

そこで、札幌の拠点長まで務めましたが、それも慣れてくると物足りなくなり

気が付くと私はまた、会社を辞めていました。

今度は、小さな会社を大きくしてみたくなったのです。

何の計画も当ても無く、会社を辞めたのですが、不思議なことに、

「上手くいく!」と信じて疑いませんでした。



そして、あるインテリア会社に押しかけて、

契約で仕事をもらうことになり、

寝る以外は365日仕事・・・の生活を送りました。


(連載には書きませんでしたが、本当は会社を辞めたとき
一度自分で会社をはじめましたが、みごとに失敗!!
一文無になり、契約で仕事をもらいながらなんとか
自分でオフィスが持てるように日々奮闘しました・・・
6話の後続編で紹介します!)


小さな会社が2倍3倍に大きくなるのが面白くて、

取り付かれたように仕事にのめり込み、私の心はついに真っ赤な色一色に!

ですが、不運にも不況の波にさらされ、

その会社は発展から守りの体制をとることに・・・。

すると、契約は切れて、私の役目も終了です。

赤の時代に突入して、10年間全力で走り続けた私は、

長年の疲れがとっと出てしまいました。

その会社の社長には、「もう自分で何かはじめたら?」

と、言われたもののレールの無い電車は進めないのと一緒で、

進む先の無い自分だけが、ぽつんとそこに立ちすくんでいました。



今まで、何のために走り続けたのだろうか?

何が残ったんだろうか?



目標を失った私は、人生ではじめて挫折感を覚え、

自己嫌悪に陥りました。


炎のように高く燃え上がり、周囲を焼き尽くし、

雨や風で、あっという間に消えて、残骸だけが残る

赤の時代が終わりました。



そして闇へ・・・



それを救ってくれたのは、「オレンジの人」でした。

次回は、オレンジをテーマに続きをお話しいたします。




〜〜今回の教訓〜〜

赤は刺激の強い色。少量で十分!
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